アメリカ大学留学事情
留学にかかる費用とは
1学年(9ヶ月間)あたりの留学費用は、都市部でだいたい300~350万円、地方都市で250~300万円がひとつの目安となります。この費用には入学申請費、授業料、教材費、滞在費、医療保険料、娯楽費、交通費、渡航費などが含まれますが、なかでも授業料、滞在費が大きな割合を占めます。授業料に関しては、州立か私立かによっても大きく差が生じます。ただし、アメリカの大学は良い大学ほど学費が高い傾向にあり、トップ校における学費は、州立も私立もさほど大きな差はありません。
大学の種類 | 1学年の学費の目安 |
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私立4年制大学 | $12,000~$30,000 |
州立4年制大学 | $9,000~$23,000 |
私立2年制大学 | $8,000~$20,000 |
州立2年制大学 | $4,000~$9,000 |
授業料は難易度の高い大学ほど高くなる傾向にあり、同レベルなら私立より州立の方が平均して安いといえます。ただし、私立は奨学金が得られるチャンスが州立に比べると高く、学業面・生活面ともに手厚いサポートが受けられるという利点もあります。
1学年の生活費の目安 | |
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物価の高い地域(都市) | $8,000~$15,000 |
物価の低い地域(郊外・田舎) | $5,000~$8,000 |
アメリカの教育事情
州・大学による管理
アメリカには日本の文部省にあたるような国が教育を管理するシステムはなく、それぞれの州や大学が独自に運営・管理しています。よって、学期制やカリキュラムなども、大学ごとの独自色が強いことが特徴です。
書類審査による入学
アメリカには、日本の大学のような入学試験はありません。高校3年間の成績(通知表)を総合的に判断し、学力を審査します。
柔軟な専攻決定
日本の大学のように、必ずしも入学時に専攻を決めなくてもよいのがアメリカのシステムです。1、2年次は、一般教養科目をバランスよく学習し、3年次より専攻を決めて自分の分野を深く追求します。
年2~4回の入学時期
アメリカの新学期は9月といわれますが、1月の入学が可能な大学が数多くあります。また、大学によっては、3月や6月に入学できる大学もあります。
編入学
アメリカではいったん大学に入学しても、途中で別の大学に編入する学生が珍しくありません。専攻を変えたい、研究分野に精通している教授に付きたい、より高いレベルの大学を目指したいなど、理由はさまざまですが、成績さえ問題なければ編入は可能です。2年制大学から4年制大学への編入なども盛んに行われています。
卒業の概念
アメリカの大学は単位制を採用しているので、卒業に必要な単位さえ取得してしまえば、4年間在籍しなくても卒業できます。3年や3年半で学位をとって卒業することも可能です。一方で、5年、6年と時間をかけて卒業する学生も少なくありません。大学生の卒業率の全米平均は、約60%といわれています。
アメリカの治安について
「世界的に見て、日本ほど安全な場所はない」ということを常に念頭に置いておくことが大事です。ただし、アメリカも日本人が想像しているほど危険な場所ばかりというわけではありません。身を守るためのルールをきちんと守ってさえいれば、問題なく生活できます。
自分の身を守るために
危機回避、自己安全のためには 、事前に現地の安全情報や知識を習得し、個人の意識を常に海外対応のモードにする必要があります。基本的に、自分の身は自分で守るという心構えが必要です。
例えば、以下のような事柄に気をつけましょう。
- 夜の外出、特に女性の一人歩きは避ける。
- 危険といわれる地域、暗い通りなどに近づくことを避ける。
- セクシャルハラスメントなどの危機をさけるため、相手が勘違いをするような態度をとらない。
- 多額の現金、貴重品、高級品を持ち歩かない、見せない。
- 露出の多い服装は避ける。
- ドラッグには決して手を出さない(パーティーなどで誘われることが多いので注意)。
- 多額の現金は持ち歩かない($50くらいまで)。
- アメリカ人の友人やホストファミリーから、詳しい地元の情報を聞く。
- 何かを売買するときや、アパートを借りるときなどは、必ず友達に付き添ってもらう。
ちなみに、アメリカで最も留学生が被害に遭いやすいのが、スリ、置き引き、ひったくりです。貴重品はきちんと自己で管理する必要があります。
大学卒業後の進路
大学院進学
専門分野は大学院で学ぶという考え方が定着しているアメリカでは、学士号取得後に大学院に進学することや、社会経験を数年積んだ後に大学院へ進学することは珍しいことではありません。アメリカで大学院課程を併設している大学は約1,400校、そのうち、博士課程まで併設しているのは500校ほどです。
アメリカで就職
◆研修ビザ(OPT)の活用
アメリカの大学を無事卒業すれば、研修ビザと呼ばれるOptional Practical Training (OPT)ビザを取得できる可能性があります。このビザを取得すると、卒業してから最長1年間、有給でアメリカでの就労が許可されます。このビザでの就労期間中に自分の働きが認められれば、正規の就労ビザ取得の可能性も高まります。ただし、ビザ取得=アメリカでの就職ではありません。
日本で就職
現在、日本でも留学生を積極的に採用する企業が増えています。そのため、日本国外の大学で学んだ学生にも日本国内での就職のチャンスは数多くあります。アメリカでは毎年、ボストン、NY、LAで日本人学生向けのキャリアフェアが開催されており、留学生は積極的に参加しています。またICCでは就職支援のサポートも実施しており、卒業後は勉強してきた内容をキャリアに活かせるよう、お手伝いしています。